大塚製薬のオロナインH軟膏は昔からあるロングセラーの外用薬。家にあるよ!という方も多いのではないでしょうか。
このオロナイン軟膏はニキビにも効果あり!と言われていて最近はその活用方法がネットでも話題になっています。
中には妊娠線にオロナインH軟膏を使うというケースもあるようですが、効果はあるのでしょうか?もしそうであれば、経済的でいいですよね。
オロナインH軟膏の成分や特徴

オロナインH軟膏は妊娠線に効く?
オロナインH軟膏は大塚製薬が1953年に発売した「皮膚用抗菌軟膏剤」です。もう発売から60年以上も経っているんですね。
オロナインH軟膏は外用薬で、主にな効能はこちらの通り。
にきび、吹出物、はたけ、やけど(かるいもの)、ひび、しもやけ、あかぎれ、きず 水虫(じゅくじゅくしていないもの)、たむし、いんきん、しらくも
ニキビにも効く!とオロナインが話題になっているのはしっかりと効果・効能にも記載されているんですね。
外用薬なので、やはり皮膚の表面にあるトラブルに働きかける効果があるようですね。
そして成分はこちらの通り。
有効成分(1g)
クロルヘキシジングルコン酸塩液(20%):10mg添加物
ラウロマクロゴール、ポリソルベート80、硫酸Al/K、マクロゴール、グリセリン、オリブ油、ステアリルアルコール、サラシミツロウ、ワセリン、自己乳化型ステアリン酸グリセリル、香料、精製水
有効成分の「クロルヘキシジングルコン酸塩液」は主に皮膚の消毒を目的としたもの、添加物の「ラウロマクロゴール」は止血剤です。
その他に乳化剤の「ポリソルベート80」、軟膏基剤として「サラシミツロウ」、保湿作用のあるものとしては「オリブ油」「ワセリン」が見られますね。
効果効能と成分を見る限りでは、「皮膚の表面の傷を消毒し表面を保護する軟膏」と解釈することができます。
オロナインH軟膏でできてしまった妊娠線のケアはできる?
妊娠線はでき始めの頃は赤紫色をしていて、傷のように見えますが、妊娠線は皮膚の内側の傷です。
表皮は全く傷ついていません。
表皮のもうひとつ下にある真皮が断裂をしているため、内出血を起こしたような赤紫色になっているのです。
できてしまった妊娠線の場合、これは皮膚の表面ではなく内側の傷なので、皮膚の外側に働きかける外用薬「オロナインH軟膏」では効果は感じられないでしょう。
消毒や止血は肌の表面に傷ができた時に必要で、内側の傷には必要ありません。
特に、オロナインの保湿成分である「ワセリン」は粒子が大きいため肌に浸透しません。そのかわり、肌の表面を覆って傷を保護する役目をします。
オロナインはやはり肌の表面が傷ついた場合に使うのが有効ですね。
オロナインH軟膏で妊娠線の予防はできる?
では、妊娠線の予防はどうでしょうか?
妊娠線の予防には保湿が大切ですが、オロナインH軟膏には保湿成分のワセリンが入っています。
ワセリンは皮膚科でも処方されるような保湿剤で、傷の保護にも使われているものです。

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ワセリンは妊娠線の予防に使えないことはありませんが、粒子が大きく肌には浸透しないため、敏感肌の方などは皮脂腺が詰まって肌トラブルを起こす、ということもあります。
ワセリンについてはこちらの記事で詳しく書いているので、よろしければご覧ください。
オロナインもこのワセリンが使われているので保湿効果はあるのですが、妊娠線予防に効果的かというと、そこは疑問です。
保湿効果があるので、効果はゼロではないはずですが、保湿をするのであればオロナインではなくてもっと純度の高いワセリンの方が良いでしょう。
オロナインには消毒剤や止血剤が入っているので、妊娠しているお腹にそのような添加物を大量に毎日つけるのはおすすめできません。
妊娠中は特に肌が敏感になっている時なので、必要のない添加物を肌につける必要はありません。むしろトラブルの原因になってしまいます。
妊娠線の予防には外用薬のお薬ではなく、肌の保湿を一番に考えて作られたものを使うのが一番ですよ。