妊娠が発覚し、中期から後期にかけて出産の準備として母体に様々な変化が起こります。お腹の赤ちゃんの成長のため、次第にお腹がおおきくなり、お母さんの身体もふっくら脂肪がついてきます。安産のために体重が増えることは自然なことですが、体重が増えることにより、妊娠中のトラブルの一つとして「妊娠線」ができやすくなります。
妊娠線はお腹にできてしまうことが多く知られていますが、実は胸にも出来てしまうのです。さらに胸に出来てしまうのに多いのは産後。なぜ産後に妊娠線が胸にできてしまうのでしょうか。原因と予防方法、対処方法をご説明していきます。
妊娠中の乳腺の発達・産後の授乳で妊娠線が
赤ちゃんを育てるために妊娠中から乳腺が発達し、胸がしだいに大きく膨らんできます。生まれた赤ちゃんのために母乳が作られ、母乳を出す準備をはじめているのです。

妊娠中は乳腺が発達する
その準備段階で胸が膨らみますが、急激に皮膚が広がりのびきれずに断裂してしまい、胸に妊娠線ができてしまうことがあります。
お腹にできてしまう妊娠線と同じ原理ですが、産後は授乳が始まり、1〜2時間置きに授乳をします。赤ちゃんが母乳を飲めば飲むほど母乳は作られ、その分胸は張っていきます。
まだ生まれて間もなく、上手におっぱいが飲めないことや、赤ちゃんの睡眠や機嫌次第で1〜2時間置きのサイクルがくずれてしまい、さらにたくさんの母乳が作られ、ガチガチに張った胸になってしまうこともあります。
これらのことから胸が大きく膨らんでいき、妊娠線ができやすくなってしまいます。
お腹だけじゃなく、胸も保湿を心がけて

胸も保湿しよう
胸を保湿することで、妊娠線ができる前に皮膚の伸びによる肌への負担を減らすことができます。
特に乳房の下の部分に妊娠線ができやすいので、しっかり保湿するようにしましょう。乳房の下の部分は直接目で見ることができないため、妊娠線ができてしまったことに気が付かない場合もあります。
お風呂上りは忘れずにしっかり保湿するようにしましょう。
授乳中の場合、クリームや保湿剤が口に入ってしまうことを心配される方も多いと思います。クリームを塗るのは授乳が終わってから、そして授乳の前は一度乳房を拭いてから授乳をするのが良いでしょう。
産後は赤ちゃんのお世話で忙しく、なかなか自分の時間が作れなくなり、クリームを塗る時間も惜しまれますが、一度でも塗っておくと違います。時間を見つけて塗れるといいですね。
搾乳して胸の張りを減らそう

搾乳しよう
そしてもう一つの方法として、胸の張りを減らすことこがポイントです。赤ちゃんがまだ小さい頃は、おっぱいをうまく吸えないこともあり、十分に飲みきれずにおっぱいが張りやすくなります。
妊娠線ができてしまう原因にもなりますし、ひどい場合は乳腺炎になることもありますので、胸が張る前に適度に搾乳をすることで、おっぱいへの負担を減らせます。
搾乳した母乳は保存ができて、哺乳瓶でまたあげることができるので、お母さんが休みたいときや体調が悪いときのためにストックをしておくと旦那さんや周りの人に任せることができるのでいいですね。
できてしまった胸の妊娠線も保湿が大事!

胸にできた妊娠線・授乳線
胸に妊娠線ができてしまった方は、ケアをすることで薄くなる可能性があります。妊娠線ができてしまったところを保湿をし、乾燥を防ぎましょう。
授乳中の方は赤ちゃんが保湿クリームをなめてしまわないように配慮することが必要です。
赤ちゃんが口にしてしまっても大丈夫な保湿クリームもありますが、授乳前に一旦タオルや清浄綿などで拭き取ってあげるといいですね。
そしてこれ以上妊娠線を広がらないようにも胸の張りを減らして、こまめに搾乳をし胸の張りを防ぎましょう。
一度出来てしまった妊娠線は消えない
妊娠線は一度出来てしまうと、表皮だけではなく肌の奥の「真皮」まで傷がついてしまうことから、完全に消えてなくなることはありません。ですが、目立たなくすることは可能です。
赤ちゃんのお世話で忙しい日々が始まり、成長するにつれて授乳の回数も減っていき、卒乳をする頃には目立たなくなっていくことがほとんどです。
時間が経ち気付いたら気にならなくなったという声もあります。ですがなるべく早く薄くしたい方は、保湿をして皮膚の代謝をあげて再生を促しましょう。
肌のターンオーバーを繰り返しすことで、妊娠線がもとの肌の色に近づいていきます。
妊娠中のお肌のトラブルとして妊娠線で悩まされますが、考え方を変えると、妊娠線が出来てしまうのは、小さい命を自分の身体の中で育てた証として誇りに思えることですよね。
お腹が大きくなることも、母乳が作られて胸が膨らむことも、出産を経験した人は皆経験して通ってきた道です。
ケアを心がけ、時間が経過すると目立たなくなっていることがほとんどですので、気にしすぎないようにして、ストレスをためないようにすることも大事です。